先日、4年目の開催となった、小笠原レックスペシャルツアーから戻ってきたことから、小笠原の沈没艦船をこちらのページでも少しずつ紹介していく。まずは、第二十八号型、第五十号駆潜艇である。水深などもそこまで深くないことから、父島を代表する「潜りやすい」沈没船であるこの駆潜艇は、冬場になると小笠原に生息するシロワニなども往来することから、通常のファンダイバーも「潜ったことがある」という方がいるかもしれない。
第五十号駆潜艇は第二十八号型であり、第十三号型駆潜艇の改良型として28号から51号まで計31隻が竣工したが、その多くが戦没した。第五十号駆潜艇も昭和19年7月20日の空襲によって沈められた。写真は艇首の四十口径三年式八糎高角砲、通称8センチ高角砲。
2016年5月末までは艦橋も綺麗に残っていたそうだが、残念ながら現在は崩れてしまった。崩落した艦橋部を俯瞰して見る。
小笠原にはいくつもの沈船が眠っているが、第五十号駆潜艇はよく原型を留めており、陸上からも視認できることから有名な濱江丸に次ぐ有名な沈船である。写真は船に残っていた日本軍のものと思われるヘルメット。
細くシャープな艇首甲板の形状は原型の十三号型駆潜艇と同様である。前出の艇首の高角砲や艇尾には13ミリ連装機銃、爆雷を保護する為の箱型の装甲なども残っている。
海底のレクイエム76:二見湾の第五十号駆潜艇より
写真:戸村裕行 追加解説:小高正稔
・関連ギャラリー
・まだ艦橋があった頃の駆潜艇(読売新聞)
・第二十八号型駆潜艇(Wikipedia)
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